WIRED (本)

美品 1780円程今中古のマーケットで取り引きされている、優秀の一冊。 本誌は「ものづくりとはなんぞや」という大きな論考から始まり、スタートアップ企業の製品やその哲学の紹介へと続いていく。 ともすると理想の列挙で終わってしまいそうだが、後半にある池田純一さんによる記事が全体にビシッと時間軸を通してくれる。 ITがその登場から人々のマインドにもたらしてきた変化を捉えながら、これからの「make/build」に付帯すべき意味を再構築していく。 わずか3ページのこの論考によって他の記事たちも持ち場を得られ、1冊として『ものづくりの未来』を描くロードマップとなる。 底に流れる思想は前号『サイエンスのゆくえ』ともちろん一貫しているが、切り口ははっきりと別なので併せて読むことで視野が広がる。 そして特集とは別の「フェイクニュースが生まれる現場」の記事もめちゃくちゃ面白い。 マケドニアの小さな街に住む少年たちがアメリカ大統領選を扇動していく理由はなかなかに衝撃。 近いうちに映画化されてもおかしくない内情で、このリアルは人に伝えたくなる。