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楽天ラクマは、偽造品や模倣品をゼロにすることを目指す中の施策として、2024年1月に「ラクマ鑑定サービス」の本格提供を開始しました。提携先であるKOMEHYOの専任の「目利き」鑑定士が検品を行い、購入者さまは商品が安全・安心なものだとプロによるお墨付きが得られるサービスです。
今回、お話をお聞きするKOMEHYO 営業企画統括部 カンテイ事業部シニアチーフの岩見 祐哉さんは、鑑定士歴10年で、この4月から「ラクマ鑑定サービス」の検品を任されている目利きのプロです。
プロが教える、良いブランド品をお得に買うポイント、下取りを依頼した際に高値が付く商品の傾向、さらに自身の「目利き」力を高める取り組みなど、仕事の魅力も語っていただきました。
査定を高くするコツ。洗濯物を週末にまとめて洗うのは損

——まず、このサービスに深くかかわるフリマアプリですが、岩見さんはプライベートで使ったことはありますか。
岩見 祐哉さん(以下、岩見):もちろんあります。とにかく手軽で便利なところが魅力ですよね。私はスニーカーが好きですが、足のサイズが一般的な27cm前後なので特に人気が集中してしまって入手しづらいんです。入手困難なアイテムが、フリマアプリには出品されているのを見かけることは結構あります。
——鑑定の仕事をされるプロとして、リユースを楽しむコツなど、アドバイスいただけませんか。
岩見:同じものを何年、何十年と使う楽しさもありますが、1つのものに執着し過ぎないのもコツではないかと思います。リユースをうまく活用している方は、見切りが早いですね。ワンシーズン使ったら、すぐ次のものに切り替えていらっしゃいます。
ファッションの場合は年数が経過するほど、買取時の評価は下がってきます。そのため、発売して間もなくの状態がきれいなアイテムほど評価は高くなります。
——状態をよく保つ工夫としてはどのようなことがあるでしょうか。
岩見:これはもう保管方法にも気を配ることです。靴を脱ぎっぱなしにしないでシューキーパーを入れるだけで、シワや型崩れができにくくなります。特に革製品だと、型崩れしてしまうと見た目も悪くなるので、買い取りのときに評価が下がる岩見 祐哉さん(以下、岩見)ことは間違いないでしょう。
洋服なら洗い方に注意ですね。「手洗いのみ」とタグに書かれた商品を洗濯機で回したら、極端に縮んでしまいます。そうなると、もとの価格が高い洋服でも、商品として扱えなくなってしまうのです。
また、ライフスタイルや家族構成にもよると思いますが、洗濯物を1週間分ためて週末にまとめて洗濯機を回すのもおすすめしません。やはり汗や汚れがついた状態で放置すると劣化の原因になります。
大切に扱えば長くいい状態が保てますから、ちょっと面倒に思われるかもしれませんが、リユースに回すときも高く評価されるわけです。希望の価格で売れれば、それを元手に、新しい商品を買うときにも手が出しやすいですよね。
プロ目線で解説するブランド品購入時の注意点

——近年、ブランド品の中古価格が高騰していると聞きますが、なぜなのでしょうか。
岩見:一言でいえば「このモデルが欲しい」と思ってお店に行っても、なかなか手に入れられなくなっているからではないでしょうか。例えば、人気モデルのスニーカーの発売日にはお店の前に長蛇の列ができ、さらに少数の人しか購入できません。メーカーも数を絞って製造しているアイテムもあるため新品の在庫が減少した結果、中古価格の高騰につながっているのだと思います。
——希少なブランド品を購入するときに気をつけていることはありますか?
岩見:さまざまなショップやECサイトをチェックすることですね。KOMEHYOも品ぞろえに力を入れていますが、もちろんなんでもそろうわけではありません。だからフリマアプリも上手に活用されるといいと思います。ただやはり個人間の取引になると信頼性が不安という方もいるでしょう。
そういうときは、アプリ内に詳しい情報が掲載されているか、ぜひチェックしてみてください。発売年や付属品の状態など細かな情報が載っていて、商品写真はもちろん購入時の情報や箱の画像もあると判断しやすいですよね。
とはいえ実際には、写真だけで信ぴょう性を見極めるのはプロの鑑定士でも難しいものです。その点「ラクマ鑑定サービス」を利用いただければ購入者さまの手元にわたった商品を、私たちKOMEHYOの鑑定士が専門的な知識・経験を用いてチェックするので、安心できると思います。
ファッションが好きで…いつの間にか目利きのスキルを身につけていた

——岩見さんはどうして鑑定士になろうと思ったのですか?
岩見:鑑定士になりたかったというより、学生時代からファッションが大好きでアパレル関係の仕事をしたくて、KOMEHYOに入り、そこで仕事を知ったという流れです。ラグジュアリーブランドやインポートブランドなどを扱っていて、年齢問わず且つ品揃えも豊富なお店が、KOMEHYOだったんです。それで、名古屋にあるKOMEHYOの店舗で働き、やがて社員に登用されました。入社後は東京・渋谷の店舗でもブランド品の買い取りに従事したあと、今年からラクマ鑑定サービスを任せていただくことになりました。
——店舗での買取と、商品センターでの「ラクマ鑑定サービス」で、違いはありますか。
岩見:店舗では、お客さまが直接商品を持ち込むので、いつどこで購入したかなど、商品にまつわるお話をお聞きできます。一方で現在の検品の仕事は、送られてくる商品とだけ向き合うので、補足情報がなく少し緊張感は違うかもしれません。
現在は私の判断が「KOMEHYOとしての最終判断になる」というプレッシャーや責任感があります。だから自分の判断に自信を持てるよう、日々勉強を重ねなくてはなりません。判断の根拠を尋ねられたとしても、明確に回答できる知識が必須だと思っています。
——商品の知識を身につけ、目利きを高めるにはどんな方法があるのですか?
岩見:店舗に勤務していたときはお客さまとの会話は学びになっていました。持ち込まれる商品からブランドの流行を分析するということも必ずやっていました。
あとは休日に百貨店などに足を運んで新作を確かめたりもしていました。直接商品を目にして素材の質感、ステッチの細かい部分のように写真ではわかりづらいディテールを自分の知見にします。
今では、出勤の途中にすれ違う人のファッションさえ、無意識のうちにチェックしてしまいます。洋服だけでなく、靴、バッグ、時計などにも自然と目が行きますね。職業病ですね。
勉強と情報収集が鑑定士としての生命線

——ファッションと言っても、扱うものが幅広いので大変ではありませんか。
岩見:そうですね。自分が買った経験のない婦人服について勉強するのは、苦労しました。女性の先輩社員には、本当に助けていただきました。また実際の店舗で販売されている様子が最高の教材となるので、百貨店などの婦人服売り場では時間をかけてトレンドを観察することもあります。
ただ、男性客1人で長時間婦人服売り場にいるとあまりにも目立ってしまうんですよ(笑)だから妻のショッピングに付き合いながら、こっそり勉強しています。
——新しい商品もどんどん発売されますよね。
岩見:その対応も欠かせないので、日々勉強ですね。でもやはり最終的には商品に触れ、実際に見る以上の勉強方法はありません。
——「ラクマ鑑定サービス」で鑑定を担当しているのは、KOMEHYOに在籍する鑑定士の中でも、商品知識や経験の豊富な方たちばかりだとお聞きしました。
岩見:それぞれ高い専門性を持った鑑定士が集まっています。「怪しい商品を見逃さない」という志が高いスタッフたちなので、刺激になります。
私は、ファッションとブランドバッグの買取の資格をもっていますが、ジュエリーと時計は扱うことができません。それぞれの分野で「けた違い」の知識をもった先輩方がいて、こうした環境で働けること自体、誇りを感じます。私もスニーカーなら、他の誰にも負けません。
「あのブランドのデザイナーが変わった」「ロゴの形状が変わった」「新しい商品が○○店に入ってきた」など、社内のスタッフ同士で情報交換できるのも、とても助かっています。また、そのジャンルの「マニア」のような先輩社員に対して自由に質問できる仕組みが整えられています。
——これまで、店舗でもしっかり経験を積んできたから今の姿があるのでしょうね。
岩見:店舗での仕事も楽しいですし、日々成長を実感できます。私のようにファッションが好きな人にはたまらない職場だと思います。
ここに移ってくる直前、店舗での最終出勤日だと知った常連のお客さまが何人も足を運んで、顔を出してくれたのには本当に感激しました。リユースの商品をやりとりしながら、お客さまに貢献できていたのだと実感できました。
——まだ鑑定サービスを使ったことのない方に、一言お願いします。
岩見:伝統と歴史がある当社KOMEHYOの目利きは、他のどこにも負けない高いレベルだと自負しています。さらに年間の取り扱い量が170万点以上と多く、常に情報がアップデートされている点も強みです。
これからもっとリユースは身近な存在になっていくでしょう。そうなると、やはり大事なのは安心な取引ができる環境が保証されていること。
当社による判定を無料で受けられるサービスなので、むしろ「使わないのは損」くらいに思っています。各分野のスペシャリストたちがそろって、責任をもって検品しますので、ぜひ気軽に利用してほしいです。
前半、後半と2回にわたって、KOMEHYOの目利きのスペシャリストに「ラクマ鑑定サービス」の紹介と、目利きの大切さ、魅力についてお聞きしました。
今後とも楽天ラクマでは、KOMEHYOの全面的な協力のもと、購入者さまが安心して取引できるようにサービスの充実につとめていきます。
ラクマ鑑定サービスの詳細は、こちらをご覧ください。