公開日:2021.06.24 更新日:2022.08.22
ポイ活で順調に報酬を得ている方の中には「ポイ活で得た収入は確定申告が必要なの?」「ポイ活のポイントって税金がかかるの?」など、ポイ活での報酬の扱いについて不安になっている方も多いかもしれません。そこでこの記事では、ポイ活で得た報酬は確定申告が必要なのか、また確定申告しなかった場合はどうなるのか?といった知識について解説します。
ポイ活で確定申告をしないとどうなる?
手軽に副業、お小遣い稼ぎができると評判のポイ活(ポイント活動)。ポイントサイト経由でお買い物したり、アンケートや商品モニターを応募したりするだけで、高額ポイントが還元されるので、気付けばかなりの高額ポイントをゲットしている方も多いかもしれません。
結論から言うと、商品購入に応じて進呈されるポイントは、非課税対象になります。
しかし、ポイ活の内容によっては一時所得や雑所得とみなされ、一定額を超えると確定申告が必要です。その額、給料所得者の場合は「年間20万円以上」です。
後ほどこの一時所得と雑所得について解説しますが、まず確定申告をしなかった場合にどのようなことが起こるのでしょうか。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1907.htm
万が一、確定申告する必要があるにも関わらず、申告を怠たると何らかのペナルティが課される恐れがあります。
そもそも確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の申告を翌年2月16日から3月15日までの間に行い、所得税の納付をすること。
この期間内で確定申告を忘れた場合は、気付いた段階でできるだけ早く申告しましょう。「期限後申告」として取り扱われます。
一部、例外はありますが申告によって納める税金以外に「無申告加算税」が課される場合もあります。基本的に無申告加算税は、納付額が50万円までは15%、50万円を超える部分は20%を乗じた額になります。もし税務署の調査や指摘を受ける前に、自分が気付いて期限後申告すれば5%に軽減されます。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
納付すべき税額が、60万円のケースで見てみましょう。例えば、納付税額60万円で税務調査の指摘を受けて期限後申告をすると、50万円×15%+(60万円ー50万円)×20%=9万5,000円の無申告加算税が課される計算です。自主的に申告すると、60万円×5%=3万円に軽減されます。
さらに故意に隠ぺいしたり、過小申告したりした場合は、無申告加算税に加えて重加算税が課されます。
重加算税は、無申告だった場合は、無申告加算税に納税額の40%も加算、すなわち先ほどの例だと60万円×40%=24万円がプラスされる計算です。かなりのペナルティになることがわかるでしょう。
また「バレないから」と言って隠ぺいしたり、故意に申告しなかったりすると、「脱税」とみなされて刑事罰の対象になることも。
社会的な信用を失うことにもなりかねないので、ポイ活だからと言って甘く見ず、年間20万円以上の報酬を得た場合はしっかり確定申告をしましょう。
雑所得と一時所得の違いとは?
確定申告の重要性がわかったところで、ポイ活で得た報酬の税務上の扱いについて確認していきましょう。
ポイ活で得たポイントには「雑所得」と「一時所得」の2種類が存在します。具体的な例を用いて、その違いについて解説します。
雑所得
所得はその性格によって、以下の10種類に分類されています。
1. 利子所得
2. 配当所得
3. 不動産所得
4. 事業所得
5. 給与所得
6. 退職所得
7. 山林所得
8. 譲渡所得
9. 一時所得
10. 雑所得
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm
それぞれの具体的な説明は省きますが、雑所得は1~9のどれにも該当しないものを指します。国税庁によると「役務(えきむ)提供の対価として獲得したポイントについては雑所得」とされています。
ポイ活を例に簡単に言うと、「質問に答えたりアンケートへ回答したりして、人のために何か仕事をして得た賃金は、雑所得になりますよ」ということです。
他にも原稿料やネットショップで得た利益など、副業に関連するものが含まれます。年間20万円以上の所得(年収から必要経費を引いた額)を超えると、確定申告が必要になります。具体的な例を見てみましょう。
参照元:https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/78/04/index.htm
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/fukugyo.htm
雑所得の例
ポイントサイトで1年間かけてアンケートに答えたりレビューを投稿したりして、30万ポイントを貯めたと仮定しましょう(1ポイント=1円相当)。この場合、ポイントで所有しているだけなら「雑所得」ではありません。
国税庁によると「ポイントが実際に使用された時に贈与契約は効力を生じ、その時点で課税されるべき所得となると考えられる」とのこと。要するに、30万ポイントを現金化、またはギフト券などに交換した時点で確定申告すべき所得になるのです。
参照元:https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/78/04/index.htm
一時所得
一方の「一時所得」とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のことを指します。ポイ活においては、ポイント進呈のキャンペーンに当選するなど、臨時・偶発的に取得したものについては一時所得となります。
一時所得には50万円の特別控除があります。一時所得の金額は、「(総収入金額-収入を得るために支出した金額(※必要経費分)-特別控除額(最高50万円))×1/2」で求められます。例えば80万円相当のポイント報酬を稼いだ場合、「(80万円-控除額50万円)×1/2=15万円」となります。
一時所得の確定申告は、他の一時所得と合わせた額が年間50万円を超えない限り、必要はありません。給与所得がある会社員は、雑所得と同様、年間20万円を超えなければ確定申告は必要ないので、覚えておきましょう。では、どんなものがあるか具体的な例を見てみましょう。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1907.htm
一時所得の例
生命保険の受取金や満期一時金、懸賞や福引などの賞金、また拾ったお金の一部を受け取った場合も同様です。
参照元:https://www.nta.go.jp/information/other/data/h30/keiba/index.htm
楽天市場などで獲得するような、商品購入に対するポイントは課税対象になる?
商品購入に対する通常の商取引における値引きを受けたことによる経済的利益については、原則として、確定申告は必要ありません。
一般的に決算代金に応じて進呈されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては値引きと同等の行為とみなされ、課税対象となる経済的利益に該当しないとされています。
しかしながら、ポイント進呈のキャンペーンに当選するなど、臨時・偶発的に取得したポイントについては一時所得とみなされ、課税対象になります。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1907.htm
確定申告が必要な条件とは?
ここからはポイ活で得た収入の確定申告が必要になるケースを給料所得者や個人事業主、それぞれのカテゴリー別で解説します。
給与所得者の場合
給料所得があり、年末調整を行っている給料所得者(会社員など)は、所得が年間20万円以下なら、確定申告は必要ありません。ただし、医療費控除やふるさと納税といった他の控除を受ける場合は、20万円以下の所得も含めて確定申告する必要があります。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/fukugyo.htm
無職の場合
1年間無職で、雑所得が年間48万円以下だった場合は、確定申告の必要はありません(所得税は非課税対象)。なぜなら基礎控除が48万円あるからです。総所得金額から所得控除をマイナスしたものが課税所得になるので、基礎控除48万円-雑所得48万円=課税所得0円となります。
また公的年金が400万円以下で、年金以外の所得の合計が20万円以下だった場合も、確定申告は必要ありませんが、この年金以外とはアルバイトや家賃収入、個人年金の受給なども含まれるため、気を付けましょう。
一時所得は無職の場合も、給料所得者同様、50万円を超えたら確定申告しましょう。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm
参照元:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_2.htm
個人事業主の場合
基礎控除額48万円以上の事業所得を得ている、本業で確定申告をしている個人事業主やフリーランスの方は雑所得が年間20万円以下、一時所得が50万円以下だとしても、確定申告は必要です。
一方、年間所得が2,400万円以下の場合は基礎控除額が48万円に設定されています。しかし、48万円以上の事業所得があれば確定申告は不要です。
先ほども紹介しましたが、本業以外で得た収入は「雑所得」として申告しましょう。
確定申告のやり方は?
ポイ活で得た収入を確定申告するには、細かく記録しておくことが大切です。家計簿のように、「いつ」「どこのサイトで」「いくら(収入)」があったのかを記録して、翌年の1月、2月あたりで記録をまとめれば、確定申告が必要か否か判断できるはずです。
その際は控除額が異なるため、「雑所得」と「一時所得」を分けておくと、より分かりやすくなります。
計算して雑所得が20万円を超えたら(※給料所得者のみ)、国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp)で申告書を作成しましょう。
その際、源泉徴収票やポイ活の記録が必要になるので、手元に用意します。申告書を作成し終えたら、プリントアウトして必要な書類を添付し、納税地の所轄税務署に送付、または税務署の受付に提出しましょう。時間外でも税務署の時間外収受箱に投函可能です。
またプリントアウトしなくても、国税庁HP上で作成した申告書を国税電子申告・納税システム「e-Tax」で送信も可能。マイナンバーカードを持っている方は、スマホからの送付もOKです。先述したように、前年の確定申告は翌年2月16日から同年3月15日までに申告書を作成して提出する必要があるので、期限までにできるように準備しておきましょう。
参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2015/a/02/2_01.htm
まとめ
ポイントといえど、得たポイントを現金化などすれば課税対象になります。「確定申告が面倒くさい」という会社員の方は、年間20万円をラインにポイ活を進めてみましょう。
また「もっと効率的にポイ活をしたい」という方は、「楽天ラクマ」の「Rakumaポイ得」がおすすめです。楽天ポイントのポイ活情報をまとめて掲載しているので、いろいろなサイトをチェックする必要がありません。ぜひ活用してみましょう。
文/浅野裕美
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