「出品してみたものの売れない」という悩み、ありませんか?今回話をお伺いしたのは、「楽天ラクマ」ユーザーのyamakaiさん。ラクマ歴5年のyamakaiさんは、これまでに400点以上の子ども服を出品、完売させているのだとか。
着られる時期が短い、でもついつい買ってしまう子ども服。購入者目線のポイントや子育ての合間をぬって出品する工夫について教えてもらいました。
Instagramで市場調査!
—— 今日はお忙しいところ、ありがとうございます。yamakaiさんは、いつ頃からラクマを始められたのでしょうか。
上の子どもが1歳の頃からなので、もう5年になります。そのため、ラクマでよく売れる人気ブランドなどもわかってきました。
—— どのようなブランドが売れますか?
Ralph Lauren(ラルフローレン)や、ヨーロッパのブランドでBOBO CHOSES(ボボショセス)やMini Rodini(ミニロディーニ)など、若いおしゃれお母さんの間で流行っているブランドですね。
ママさん世代向けのファッション雑誌で紹介されていたり、Instagramでおしゃれしたお子さんが写っている写真にタグ付けされていたりして、人気があるブランドとして認知されているのでよく売れます。
子ども向けブランド服は「買って、着せて、撮って、売る」!
—— yamakaiさんは、人気のブランド中心に出品しているのでしょうか?
それもありますが、ユニクロやZara、H&Mなどのファストファッションを出品することもあります。
ブランドの洋服やかわいいから子どもに着せたいと思う洋服は、セールの時にサイズがぴったりなものを買って、着せて、写真を撮って、ラクマで売ったりもします。もしラクマがなければそういうことはしないと思いますが(笑)。
—— お子さんにおしゃれな格好をさせて写真を撮るのがお好きなんですね。
そうですね。自分の家族だけではなくて、みんなに見てもらいたいという気持ちですね。
有名人の方もそうですけど、やはりInstagramでお子さんにかわいい服装をさせている写真を見ると、自分もやってみたくなります。そういうママさんは多いと思いますよ。Instagramの存在は本当に大きいです。
極端な話ですが、おしゃれな服を着て写真を撮った後に子どもが公園に行きたいと言ったら、その上に汚れてもいい洋服を着せて、おしゃれな洋服が汚れないようにして行きます(笑)
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B級品のセット販売にもニーズあり
—— 洋服を着るだけではなくて、写真を撮る楽しみにも活用されているんですね。出品する洋服ですが、数回着用したものも出品されていますか?
はい、そういうものもあります。
たとえば、幼稚園や保育園でのお着替え用の服。砂遊びやお絵描きで汚れてもいい服や、お尻に少し穴が開いているズボンなど、最低送料でおさまるような組み合わせで「3セット300円」のように出品します。
―― なるほど!そういうものも売れるんですね。
意外と売れますね。きれいな洋服がほしい方ばかりではなくて、実用的な洋服を求める方もいらっしゃいます。私は裁縫ができないので直せませんが、小さな穴だったら直せる方もたくさんいらっしゃいますからね。「膝に小さな穴が開いていますが、直して使ってくださる方がいらっしゃれば…」と書いて出すと、けっこう売れるんですよね。
―― 商品の状態を、きちんとお伝えするんですね。
はい、そうですね。
用途がありそうなものは出すようにしています。捨てるより、使えるなら使ってもらいたいですからね。
子ども服ならではの掲載必須ポイントとは?
—— 出品する時に気をつけていることはありますか?
子ども服で気をつけることは、まず、記名があるかどうかです。
出品者のお子さんの名前がどこかに書かれているかを気にされる方が多いので、記名の有無と、書いている場合はどこにあるか。また、新品でも古いものであれば必ず伝えるようにしています。
次に首周りですね。子どもは服を引っ張って脱ぐので、首周りがよれていることがけっこうあります。また、男の子用だとお尻や膝が擦れたり汚れたりしていないかなども、購入者にとっては気になるポイントです。
汚れが気になりそうな部分は、写真をアップしたりコメントで書いたりするようにしています。
ほかにも、サイズに加えてアレルギーのお子さんにとって素材が綿100%かどうかはとても大切なポイントですから、タグのサイズ表示や素材表示は必ず載せるようにしています。
—— お伝えする情報量がけっこう多いですね。
そうですね、写真が4枚までなのでおさまらない時には必ず説明文に書いています。丁寧に伝えることで、購入者の安心感につながっている気がするんです。
子ども服は単価が安いかわりに出品数でカバー
—— ところで、今までの販売数はどのくらいになりますか?
400点くらいですね。金額的にはすごく売れる月で10万円くらい、売れない月は本当にお小遣い稼ぎ程度で1万円以下です。ただ、この金額は子ども服のほかに家族のものも出品しているので、その合計額になります。
子ども服だけで月10万円いくとすると、冬物の良いコートが売れた時くらいですね。子どものものはどうしても単価が安くなるので、年間で12万円くらいの売り上げです。
—— 子ども服の出品件数は月にどのくらいですか?
多いときで20件くらいです。衣替えの時期はおのずと多くなります。子ども服はたくさん買ってしまいますし、今は息子がふたりなので、ひとりの時よりも出品件数が増えています。
内訳としては、ブランドとファストファッションが半々です。普段はファストファッションが多いですが、写真を撮る時は人気ブランドのかわいい洋服を着せたくて購入しています。
おさがり感覚で安めの価格設定もコツのひとつ
—— 出品されるときの価格設定はどうされていますか?
ヨーロッパのブランドや人気ブランドはラクマに出品するのに1,800~2,000円くらいの値段をつけます。子ども服ですし、購入される方にとってはおさがりなので、2,000円を超えるような高い値段設定はできないと思っています。
ファストファッションではユニクロ、Zara、H&Mを中心に、だいたいが1,000円以下です。ユニクロは耐久性が良くて、子ども服の中でもレギンスパンツなどは人気があります。いくら履いてもよれないから保育園のお着替え用にぴったり、ということをママさんたちも知っているんです。だから、これは売れそうだと思った商品やInstagramで見かけた商品はまだお店に残っているうちに買っておいて、あまり着なくなったら出品しています。
—— 最初から順調な売り上げだったのですか?
最初からではないですね。
出品を繰り返していくうちに、先ほど話した首周りのよれや記名のことなど購入者がどこを見ているのかわかってきて、詳細な情報を載せ始めました。また、自分が気に入っている商品に対しては思い入れもあるので、最初は高めの値段をつけていたんです。でも、それは私のお気に入りであって買う側の人にとっては関係ないとわかってからは、全体的に統一感のある安めの価格設定にしました。こうしてトライアンドエラーを繰り返しているうちに、順調に売れるようになりました。
自分なりの売り方を探ってみよう
今は、輸入品や人気ブランドは2,000円以下、ファストファッションで1,000円以下。それぞれ単品でも出品しますが、おしゃれ用と着替え用に分けてセットでも出品します。ブランドものなら1枚で買うよりも安い単価になるようなセットに、先ほど話した穴開きの洋服や使用感のあるものは3枚くらいセットにして300円程度で。セットで売れると商品が一気に捌けるというメリットがありますから。他の出品者さんの例ですが、センスの良いママさんたちは「コーデ売り」という売り方で、Tシャツ、パンツ、シューズなどの一式コーディネートで販売をしていますよ。私はかわいいと思ったコーディネートのセットをラクマで買っています。
—— 上手な売り方ですね。素敵なコーディネートだったら思わず買いたくなってしまいそうです。
シーズンオフの洋服でも需要はある
—— 出品の時期で工夫されていることはありますか?
そうですね、今のシーズンに合った服かどうかで売れ行きが全然違うので、季節に合わせて出品しています。今(取材時9月末)だと長袖のTシャツや薄めのアウターを出品しますが、オーバーコートやダウンはまだ。これが急に寒くなったら、厚めのアウターの出品を始めます。
穴場のニーズもチェックしておこう
—— 販売する時に、時期を逃したと思ったら、シーズンまで待った方がいいのでしょうか?
売れるものを優先させたいので、時間に余裕があれば出品しますが、基本的には来年まで置いておきます。たとえば水着は、10月になるともう売れないので来年まで取っておきます。ただ、今はコロナ禍で海外旅行に行けませんが、ちょっと前には海外旅行で水着を使う方もいたので、寒い時期でも売れることがありました。アイテムによっては、穴場のニーズがあるので出品し続けておくという方法もあるとは思います。
同じように、ハロウィンのコスチュームが去年はよく売れましたが、今年はイベントも少ないのであまり売れないですね。ハロウィンパーティーが2~3か所で行われれば、お母さんたちはお子さんそれぞれに違う衣装を着せたいじゃないですか。ハロウィンはお母さんがお子さんにこぞって仮装をさせる絶好のチャンスですからね。例年ですとニーズがあったように思いますが、今年はちょっと事情が違うので、ご自宅用に1着持っていれば十分なんだと思います。
逆に私がラクマで買う時は、シーズンオフで値下げされたTシャツを狙います。子どもの成長は早いので、今年は着られなさそうでも来年はジャストサイズになりそうな洋服を買うこともあります。
—— ラクマのキャンペーンに合わせて値下げされる方もいらっしゃるようですが、どうされていますか?
それは私もしています。たとえば、5%割引の時に値下げをしたり、3,000円以上で5%割引の時には通常1,000円のものを4枚組み合わせて3,000円セットにするなど、キャンペーンに合わせてやっています。
よく利用するのは、「すべての商品に使える3%OFFクーポン」で、出品した時にくじが引ける「ラクマくじ」は必ず1日3枚ずつやっています。
購入者とのやりとりは丁寧かつ迅速に
—— 購入者とのやりとりで気をつけていることなどはありますか?
基本的に丁寧な取引メッセージを心がけています。あまりやり過ぎると購入者も困ってしまうと思うので、感謝とお知らせだけは丁寧かつ重すぎない内容と分量で書くようにしています。自分が買った時も同じですね。問題があった時は、とにかく丁寧な対応をします。
—— 子ども服の梱包で気をつけていることはありますか
基本的に商品は封筒にじかに入れず、二重で梱包しています。水濡れや水の侵入防止も気をつけます。
新しい封筒やビニール袋がある時はそれを使いますが、通常はショップ袋を再利用しています。発送は、コンビニなどを利用してできるだけ早く発送しています。
気にされない方もいらっしゃいますが、早く届くと嬉しいと思うので、出品と発送なら、発送を優先させてやっています。
生活パターンの中から見つけた時間を最大限に活かす!
—— 人気アイテムのリサーチ、出品、発送、購入など、まめにされている印象を受けますが、お子さんがふたりいらっしゃって、時間のやりくりはどうされているのでしょうか?
商品を出して、撮って、説明を書いて、出品するという作業をひとつひとつ順番にやるのは時間がもったいないので、写真を撮るときは一気に何点もまとめて撮影し、下書きに保存しておいて、子どもが夜寝た後に説明文を書いて一気に出品するような流れになっています。
衣替えの時期は、出品したいものをまとめて出して、状態を確認して、セット売りできるものを考えて仕分けしておきます。それから子どもが幼稚園に行ったり寝付いたりして時間ができた時に作業ごとに進めていきます。
まとめて写真を撮る時にはだいたい置き撮りで撮影していますが、これは作業的に一気に撮影できます。ただ、置き撮りの写真でずっと売れない場合は、吊るしに変えて撮影することもあります。
出品されているママさんのなかには、同じ布を敷いて、背景もそろえて、まるでネットショップのように自分のページを作っている方もいらっしゃいます。私の場合は、値段と発送の速さをウリにして、時間と作業量のバランスをみて、その時できる最大限のことをやっています。
限定4枚の写真は、コラージュで水増しを!
それから、ラクマで出品する時は写真が4枚に限定されています。子ども服だと先ほど話したように、タグや穴など細かなポイントを写真で載せたほうがいいと思うので、私は載せきれない写真を数点まとめて専用のアプリでコラージュし、1点の写真にしてアップしています。少しだけ手間がかかるかもしれませんが、コラージュに挑戦してみるのもいいと思います。
楽天ポイントと売り上げで、お小遣いを増やそう!
—— ラクマを5年も使い続けてくださっている理由を教えてください。
私は楽天カードのヘビーユーザーなんです。最初にフリル(旧楽天「ラクマ」)を始めたのも、楽天ポイントを使えるのがありがたいし嬉しかったからです。期間限定のポイントがあると、全部フリルで使っていました。
実は、楽天ポイントとラクマでの売り上げが自分のお小遣いになっています。ポイントを貯めて使えるし、楽天キャッシュにチャージもできます。銀行振込は一切しないで、楽天グループサービスの中で全部使っています。
—— 楽天キャッシュにチャージした時にはどのような場面で使いますか?
ラクマや楽天市場で利用する時は、売上金からキャッシュチャージして購入します。街でのお買い物はコンビニで使うことが多いです。1,000円以下の買い物の時に楽天ポイントで支払いをしています。
—— ポイントやキャッシュチャージ以外に、ラクマの使いやすい点などはありますか?
購入する側から見ると、ポイントが使えることに加えてクーポンが多くてお得なことが多いですよね。
出品する側から見ると、手数料の安さです。
いろいろ迷ったり悩んだりしている方もいらっしゃると思いますが、ママさん目線を大切にしてやっていくうちにコツがつかめると思います。私の経験も参考にしていただけると嬉しいです。
—— 今日はありがとうございました。
単価が安くなりがちな子ども服に新たな価値をつけて出品されているyamakaiさん。ご自身も「ママさん」だからこそ気づく視点もあれば、購入者の要望に耳を傾け、工夫されていることもありました。
みなさんが手にされているものは、この次はどのような人の手に渡るでしょうか?そんなことを考えながら出品してみるのも楽しいかもしれませんね。
取材・文/杉本多恵